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研究
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)を用いた2変量精度管理の有効性
著者: 小山洋1 青木繁伸1 鈴木庄亮1
所属機関: 1群馬大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.788 - P.791
文献購入ページに移動1947年,アメリカにおいて50以上の検査機関が参加して行われた同一血清,血液を用いた血糖値やヘモグロビンなどいくつかの測定値の正確度に関する調査Dや,その後日本で行われたいくつかの同様の調査によって,検査機関間の測定値の差があまりにも大きいことが実証され,臨床検査における精度管理の必要性が認識されるようになった2).工場での製品の精度管理に使われていたk-R管理図法が臨床検査にも応用されるようになり3),またその後さまざまな精度管理法がくふうされ4),今日では多くの検査機関においてX-R管理図や標準血清の外挿による内部精度管理,医師会などによるコントロール・サーベイなどが実施されている.
しかし一方では,こうしたさまざまな精度管理法の普及とともに,それらの限界や問題点も指摘されてきており5),また近年における多項目自動測定機器やコンピュータの普及により多変量解析による精度管理の手法も検討されはじめている.すでに一部の検査機関では関連のある項目,例えば総コレステロールとリン脂質,GOTとGPTなどで,項目比を用いたり6),確率楕円7)やマハラノビスの汎距離を求めたり8),主成分分析を行ったり9)などの多変量精度管理が実施されている.
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