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研究
FANA陽性検体の抗ENA抗体とその血清学的特徴
著者: 道林勉1 黒川一郎1
所属機関: 1札幌医科大学検査部
ページ範囲:P.792 - P.794
文献購入ページに移動はじめに
細胞核の構成成分としては,クロマチン由来のDNAやピストンのほかに,核質由来の酸性核蛋白質などの非ピストン核蛋白質があり,後者はホモゲナイズした細胞核から,等張性食塩水で抽出しうる抗原であるので,可溶性核抽出抗原extractable nuclearantigen (ENA)と一般に呼ばれている1〜4).抗ENA抗体は,ENAに対する自己抗体で,特異性の異なる種々の抗体群からなる1,4).
蛍光抗体間接法によって検出される血中抗核抗体fluorescent antinuclear antibody (FANA)は,必ずしもSLEにきわめて特異性が高いとはいえない5).そこで,FANA陽性被検血清を対象にして,抗ENA抗体およびその抗体価を測定し,SLEとnon-SLE両群の血清学的特徴を検討した結果,抗ENA抗体の動向が,両群において相異することが明らかになったので,その成績を報告する.
細胞核の構成成分としては,クロマチン由来のDNAやピストンのほかに,核質由来の酸性核蛋白質などの非ピストン核蛋白質があり,後者はホモゲナイズした細胞核から,等張性食塩水で抽出しうる抗原であるので,可溶性核抽出抗原extractable nuclearantigen (ENA)と一般に呼ばれている1〜4).抗ENA抗体は,ENAに対する自己抗体で,特異性の異なる種々の抗体群からなる1,4).
蛍光抗体間接法によって検出される血中抗核抗体fluorescent antinuclear antibody (FANA)は,必ずしもSLEにきわめて特異性が高いとはいえない5).そこで,FANA陽性被検血清を対象にして,抗ENA抗体およびその抗体価を測定し,SLEとnon-SLE両群の血清学的特徴を検討した結果,抗ENA抗体の動向が,両群において相異することが明らかになったので,その成績を報告する.
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