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今月の主題 酵素結合性免疫グロブリン 総説
酵素結合性免疫グロブリン
著者: 菅野剛史1
所属機関: 1浜松医科大学検査部
ページ範囲:P.845 - P.849
文献購入ページに移動 酸素結合性免疫グロブリンとは,血清中に存在する酵素蛋白を抗原として認識し産生された免疫グロブリンが,血清中において酵素蛋白と結合し高分子酵素として検出されたものの総称である.これらは,検出されたときに,当初は酵素異常と考えられたが,酵素蛋白と結合した免疫グロブリンが検出され,その性質が解析されるに至って,酵素異常ではなく免疫グロブリンの異常と考えられるようになった.しかし,多くの症例が見いだされるにつれ,高分子型の酵素でも必ずしも結合免疫グロブリンの見いだされない例も存在し,その多型も話題となっている.一方,結合免疫グロブリンを自己抗体と考えるか否かでもまだ十分な結論は得られていないし,病態とのかかわりあいでもその一部が明らかにされつつあるに過ぎない.多くの残された課題があるにせよ,この時点まで観察,解析された現象,考えかたをまとめてみる.
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