icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻8号

1987年08月発行

文献概要

今月の主題 酵素結合性免疫グロブリン 総説

酵素結合性免疫グロブリン

著者: 菅野剛史1

所属機関: 1浜松医科大学検査部

ページ範囲:P.845 - P.849

文献購入ページに移動
 酸素結合性免疫グロブリンとは,血清中に存在する酵素蛋白を抗原として認識し産生された免疫グロブリンが,血清中において酵素蛋白と結合し高分子酵素として検出されたものの総称である.これらは,検出されたときに,当初は酵素異常と考えられたが,酵素蛋白と結合した免疫グロブリンが検出され,その性質が解析されるに至って,酵素異常ではなく免疫グロブリンの異常と考えられるようになった.しかし,多くの症例が見いだされるにつれ,高分子型の酵素でも必ずしも結合免疫グロブリンの見いだされない例も存在し,その多型も話題となっている.一方,結合免疫グロブリンを自己抗体と考えるか否かでもまだ十分な結論は得られていないし,病態とのかかわりあいでもその一部が明らかにされつつあるに過ぎない.多くの残された課題があるにせよ,この時点まで観察,解析された現象,考えかたをまとめてみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?