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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻9号

1987年09月発行

文献概要

研究

中葉症候群の症例の喀痰から検出した非溶血A群レンサ球菌について

著者: 設楽政次1 設楽正登1 吉元加代子1 細井由紀子1 伊藤京子1 原昌子1 佐野純子2 林康之3

所属機関: 1立正佼成会附属佼成病院臨床検査科 2東京都済生会中央病院臨床検査科 3順天堂大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.1007 - P.1010

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はじめに
 A群溶血レンサ球菌は,咽頭炎,扁桃炎,皮膚化膿症,またリウマチ熱,急性糸球体腎炎などの二次疾患の原因菌として重要なことから注目されてきた1〜3).また,B群溶血レンサ球菌は,小児の敗血症,髄膜炎4)や泌尿生殖器疾患5)などの原因菌として知られている.
 さて,レンサ球菌は,Brown6)により血液寒天培地上の溶血態度により,α,β,γ溶血レンサ球菌と分類され,Lancefild7)の血清学的群別により,現在までA〜V(I,Jを除く)の20群に分類されている.そして,臨床材料から検出される溶血レンサ球菌は,A,B,C,G群があり1),A群がもっとも頻度が高く,これらのほとんどは,β溶血を示すと報告されている8,9).咽頭スワブからの溶血レンサ球菌の検出は,通常β溶血を指標として行われ,血液寒天培地上でβ溶血を示さないレンサ球菌は,咽頭部常在菌として検査されないまま放棄される場合が多く,著者らの検索した範囲内では,非溶血性のA群レンサ球菌に関するわが国内の報告は見あたらない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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