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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻11号

1988年10月発行

文献概要

特集 アイソザイム検査 I.総論

3 酵素アノマリー

著者: 菅野剛史1

所属機関: 1浜松医科大学附属病院検査部

ページ範囲:P.1201 - P.1205

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 日常の臨床検査でアイソザイムの検査は,電気泳動分析を中心としたなんらかの分離分析をもって行われる.酵素アノマリーというのは,電気泳動分析などのザイモグラム上で観察される異常分画を示すものと考えると,頻度的には酵素結合性免疫グロブリンの例がもっとも多い.しかし,酵素アノマリーという表現は,酵素結合性免疫グロブリンと同義語ではない.しかも,酵素結合性免疫グロブリンでは,酵素蛋白の側には異常があるのではなく免疫グロブリンと結合して電気移動度が変化し,あたかも酵素異常のように観察されることから,酵素アノマリーの名称が付されたものである.電気泳動分析で,ザイモグラム上観察される異常分画をすべて含めて酵素アノマリーと考えるならば,酵素結合性免疫グロブリンのほかに電気泳動分析で初めて観察される変異酵素も含めるべきである.
 ここでは,酵素結合性免疫グロブリンの例と変異酵素の二つの例をまとめることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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