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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻11号

1988年10月発行

文献概要

特集 アイソザイム検査 I.総論

4 赤血球内酵素のアイソザイム

著者: 藤井寿一1

所属機関: 1東京女子医科大学輸血部

ページ範囲:P.1206 - P.1211

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はじめに
 アイソザイムとは,同一酵素活性を有し,多様性を呈する酵素群を示すが,従来は酵素学的,免疫学的および物理学的検索により比較がなされていた.しかし,最近の分子生物学的手法の進歩に伴い,赤血球内酵素の大部分は遺伝子レベルでその構造が明らかになっており,ここではアイソザイムとは,蛋白の一次構造を決定している遺伝子の相違により多様性を呈する酵素群を示し,翻訳後になんらかの修飾を受けて多様性を呈するものは含めないこととする.
 解糖系および五炭糖リン酸回路にかかわる赤血球酵素のアイソザイムとその異常を表に示す.赤血球内酵素のアイソザイム検索の意義は,1赤血球代謝の特殊性を解明するうえでの重要性,2組織特異的発現を示すアイソザイムでは異常のあるアイソザイムの同定による病態解明,3組織の癌化に伴うアイソザイム発現の調節,などが挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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