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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻11号

1988年10月発行

文献概要

わだい

注目される糖質,糖脂質

著者: 織田敏次1

所属機関: 1国立病院医療センター

ページ範囲:P.1220 - P.1220

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 アイソザイム(isozyme)がMarkertとMφller(1959)によって提唱されたさい,蛋白の一次構造の違いが優先されねばならない,糖による修飾などは,アイソザイムというべきでない,そのような考えが一般であったと思う.しかし,実際にはいずれの違いによるものか,確実に決めるのは必ずしも容易でない.電気泳動度が違う,とりあえずはアイソザイムないしはアイソエンザイム(isoenzylne)と称して,臨床的意義に先走ろうとする.
 例えばアルカリホスファターゼ(ALP)の一部は蛋白の一次構造の違いによる,真のアイソザイム,他の一部はシアル酸を主体とする糖鎖による修飾の違いによることが明らかになった.ヒトの肝由来,胎盤由来,小腸由来のALPは活性中心は同じながら,それぞれ一次構造に違いがある.癌化に伴って時に現れるALPは,胎盤性と小腸性のいずれかの性質に戻るかにみえる.骨,腎,その他の臓器のALPは,いずれも一次構造は肝性のそれであって同じ.それでも起こる電気泳動度の違いは主としてシアル酸の違いであることが,免疫学的に,あるいはペプチドマップ,シアリダーゼに対する態度から明らかにすることができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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