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特集 アイソザイム検査 II.各論
3 アデノシンデアミナーゼ
著者: 倉田矩正1
所属機関: 1千葉県がんセンター臨床検査部
ページ範囲:P.1238 - P.1242
文献購入ページに移動アイソザイム分画の性質
アデノシンデアミナーゼ(ADA)のアイソザイムとしては,表1のようにADA1とADA2の2種がある1,2).ADA1には分子量から考えると少なくとも三つのものが含まれると考えられるが,その基本となる分子量35,000のものについて記述する.
両者を比較してみると,基質であるアデノシンに対するKm値,至適pH,阻害剤に対する感受性,抗体に対する反応性などが明らかに異なっている.ADA1のほうが,低濃度のアデノシンに対して生体の通常の条件下で働きやすくできているようであり,他方,ADA2は高濃度のアデノシンが低pHの条件下で負荷されたときに働きやすく,しかも阻害物質の影響を受けにくいと考えられる.
アデノシンデアミナーゼ(ADA)のアイソザイムとしては,表1のようにADA1とADA2の2種がある1,2).ADA1には分子量から考えると少なくとも三つのものが含まれると考えられるが,その基本となる分子量35,000のものについて記述する.
両者を比較してみると,基質であるアデノシンに対するKm値,至適pH,阻害剤に対する感受性,抗体に対する反応性などが明らかに異なっている.ADA1のほうが,低濃度のアデノシンに対して生体の通常の条件下で働きやすくできているようであり,他方,ADA2は高濃度のアデノシンが低pHの条件下で負荷されたときに働きやすく,しかも阻害物質の影響を受けにくいと考えられる.
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