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特集 アイソザイム検査 II.各論
4 アラニンアミノトランスフェラーゼ
著者: 亀井幸子1
所属機関: 1東京大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.1243 - P.1246
文献購入ページに移動GPTアイソザイム
アラニンアミノトランスフェラーゼ(GPTまたはALT)はウシ心筋(Bulos & Handler, 1965),ブタ心筋(Saier & Jenkins, 1967;Kojima, 1979),ラット肝(Matsuzawa & Segal, 1968)などから純粋な状態まで精製されているが,これらは細胞上清分画のもの(sGPT)であろうと考えられている.GOTについて細胞上清分画に局在するsGOTと,ミトコンドリア内部に局在するmGOTの2種類のアイソザイムの存在が明らかになってきた1960年前後から,内外の何人かの研究者によってGPTにもsGPTとmGPTの両アイソザイムが存在することが示唆された.わが国では勝沼らが,リン酸ゲルカラムクロマトグラフィーによって2種類のGPT活性をもつ蛋白を得て,それがsGPTとmGPTであることを報告している1).次いで1965年にはSwickら2)が,ラット肝,1975年にはDe-RosaおよびSwick3)がラット,ニワトリ,モルモット,ブタの各組織についてsGPT,mGPTの分布を研究し,両アイソザイムの存在が確認された.そして1979年にDeRosaらによって初めてmGPTがブタ肝臓のミトコンドリア分画から精製された4).
Swickらはラット肝のmGPTがきわめて不安定な酵素であると述べているし,DeRosaもラット肝mGPTはsGPTと比較して不安定であり,50%グリセロール存在下でも4℃,一夜で20%の活性を失い,また凍結保存は不可能であった,と述べている.ヒトの細胞内にも他の哺乳動物と同様にsGPTとmGPTがあって,同様な生理学的役割を担っていることが容易に推定され,ヒトのGPTアイソザイムについても多くの研究がなされたと思われる.ヒトのGPT(sGPT)はGOTと比較して不安定な酵素であるが,ヒトのmGPTは上に述べたことから類推すると,存在するとしてもさらに不安定であるのかもしれない.あるいは,存在する比率がsGPTに比べてずっと少ないのかもしれない.
アラニンアミノトランスフェラーゼ(GPTまたはALT)はウシ心筋(Bulos & Handler, 1965),ブタ心筋(Saier & Jenkins, 1967;Kojima, 1979),ラット肝(Matsuzawa & Segal, 1968)などから純粋な状態まで精製されているが,これらは細胞上清分画のもの(sGPT)であろうと考えられている.GOTについて細胞上清分画に局在するsGOTと,ミトコンドリア内部に局在するmGOTの2種類のアイソザイムの存在が明らかになってきた1960年前後から,内外の何人かの研究者によってGPTにもsGPTとmGPTの両アイソザイムが存在することが示唆された.わが国では勝沼らが,リン酸ゲルカラムクロマトグラフィーによって2種類のGPT活性をもつ蛋白を得て,それがsGPTとmGPTであることを報告している1).次いで1965年にはSwickら2)が,ラット肝,1975年にはDe-RosaおよびSwick3)がラット,ニワトリ,モルモット,ブタの各組織についてsGPT,mGPTの分布を研究し,両アイソザイムの存在が確認された.そして1979年にDeRosaらによって初めてmGPTがブタ肝臓のミトコンドリア分画から精製された4).
Swickらはラット肝のmGPTがきわめて不安定な酵素であると述べているし,DeRosaもラット肝mGPTはsGPTと比較して不安定であり,50%グリセロール存在下でも4℃,一夜で20%の活性を失い,また凍結保存は不可能であった,と述べている.ヒトの細胞内にも他の哺乳動物と同様にsGPTとmGPTがあって,同様な生理学的役割を担っていることが容易に推定され,ヒトのGPTアイソザイムについても多くの研究がなされたと思われる.ヒトのGPT(sGPT)はGOTと比較して不安定な酵素であるが,ヒトのmGPTは上に述べたことから類推すると,存在するとしてもさらに不安定であるのかもしれない.あるいは,存在する比率がsGPTに比べてずっと少ないのかもしれない.
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