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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻11号

1988年10月発行

文献概要

特集 アイソザイム検査 II.各論

17 β-D-グルクロニダーゼ

著者: 篠原兵庫1

所属機関: 1近畿大学医学部第二生化学教室

ページ範囲:P.1334 - P.1338

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アイソザイム分画の性状
 1.β-グルクロニダーゼの一般的性状1)β-D-グルクロニダーゼは,非還元末端にあるβ-D-グルクロニドを加水分解する.この酵素のアグリコン(図1のR)に対する特異性はきわめて低く,アルキル基,アリル基,各種の色素,ステロイドなどのグルクロニドを加水分解する.また,グルクロン酸のC1との結合がエーテル結合(二つの水酸基から水1分子がとれてできた結合)であってもエステル結合(水酸基とカルボキシル基の間から水1分子がとれてできた結合,例えばビリルビングルクロニドなど)であっても同じく作用する.しかし,1β結合,2D-グルクロン酸,および3非還元末端の3点に対する特異性はきわめて高く,この部分が異なった配糖体は水解しない,したがって,多糖鎖の中に存在するグルクロニド結合は切断しない.そのため,グルクロン酸を鎖中にもっている多糖,例えばピアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのムコ多糖(グリコサミノグリカン)そのものは水解しない.これらの多糖は,まずピアルロニダーゼのようなエンドグリコシダーゼによってオリゴ糖にまで分解された後,β-グルクロニダーゼの作用を受ける.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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