文献詳細
文献概要
わだい
システインプロテアーゼ
著者: 木南英紀1
所属機関: 1順天堂大学医学部生化学第1講座
ページ範囲:P.1338 - P.1338
文献購入ページに移動 プロテアーゼは活性基の種類によってシステイン,アスパルティク,セリンおよび金属プロテアーゼの4種に分類される.システインプロテアーゼはチオールプロテアーゼ,SHプロテアーゼとも呼ばれ,至適pHは3〜8である.各種SH阻害剤(4—クロロメリクル安息香酸,ヨード酢酸,N—エチルマレイミド,ジピリジルジスルフィドなど)によって容易に阻害を受ける.微生物由来のロイペプチン,アンチパインはきわめて微量でシステインプロテアーゼを阻害するが,これらはセリンプロテアーゼをも阻害するので特異的とはいえない.E−64は強力かつ特異的なインヒビターである.活性部位にはシステインのほかヒスチジンが存在し,反応に際してS—アシル中間体を作ることが確認されている.
システインプロテアーゼは植物ではパパイン,フィシン,プロメラインなどが代表で,大量に得られるため,古くから構造と機能に関する研究は進んでおり,購入もできる.動物ではリソゾーム内のプロテアーゼであるカテプシンB,H,Lおよびカルシウム依存性プロテアーゼがその代表例である.これらの動物細胞内プロテアーゼの研究は最近急速に進み,4種類ともアミノ酸配列が決定されている.いずれもパパインの活性部位付近の一次構造の間にはかなりの相同性がある.基質特異性はセリンプロテアーゼに比較してかなり低く,広い基質結合部位の存在が示唆されている.
システインプロテアーゼは植物ではパパイン,フィシン,プロメラインなどが代表で,大量に得られるため,古くから構造と機能に関する研究は進んでおり,購入もできる.動物ではリソゾーム内のプロテアーゼであるカテプシンB,H,Lおよびカルシウム依存性プロテアーゼがその代表例である.これらの動物細胞内プロテアーゼの研究は最近急速に進み,4種類ともアミノ酸配列が決定されている.いずれもパパインの活性部位付近の一次構造の間にはかなりの相同性がある.基質特異性はセリンプロテアーゼに比較してかなり低く,広い基質結合部位の存在が示唆されている.
掲載誌情報