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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻11号

1988年10月発行

文献概要

特集 アイソザイム検査 II.各論

20 ヘキソキナーゼ

著者: 奥田潤1 三輪一智1 豊田行康1 前田和男2

所属機関: 1名城大学薬学部臨床生化学教室 2名古屋第二赤十字病院検査科

ページ範囲:P.1351 - P.1355

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ヘキソキナーゼアイソザイムの性質
 ヘキソキナーゼには4種のアイソザイムがあり,いずれも単一のポリペプチド鎖から成る.アイソザイムはI〜IV型あるいはA〜D型と名づけられているが,ここではI〜IV型という表現を用いる.各アイソザイムは免疫学的に異なる蛋白質である.ヒト赤血球にはI型のみが存在し,それはさらに3〜4種のサブタイプに分かれるが,それらは免疫学的に差はなく,蛋白合成後の修飾によって生じたものと思われる.I〜III型はグルコースに対するKmが小さく(0.005〜0.25mmol/l),低Kmヘキソキナーゼと総称されるのに対し,IV型はKmが大きく(5〜12mmol/l),高Kmヘキソキナーゼとも呼ばれる.また,I〜III型は種々の組織に広く分布するのに対し,IV型は肝臓実質細胞および膵臓ランゲルハンス島にのみ存在する1)のも,特徴的な相違である.よく調べられているラットヘキソキナーゼアイソザイムの諸性質を表1に,またヒトヘキソキナーゼアイソザイムの諸性質を表2にまとめた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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