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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻11号

1988年10月発行

文献概要

特集 アイソザイム検査 II.各論

22 乳酸脱水素酵素

著者: 塚田敏彦1

所属機関: 1虎の門病院臨床化学検査部

ページ範囲:P.1362 - P.1369

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アイソサイム分画の性状
1.構造
 脊椎動物の乳酸脱水素酵素(LDH)はNAD依存性(NADP反応は極弱)であるが,微生物にはフラボプロテイン型やD-乳酸依存性のLDHもある.LDHは四量体で活性を示すが,それを構成するサブユニットにはA(M:骨格筋)型,B(H:心筋)型およびC(X:精細胞)型の3種がある.各遺伝子は,A型はNo.11,B型はNo.12染色体に局在し,C型は不明であるがX染色体上には存在しない(Mckasick, V. A.:Science,196, 39, 1977).各遺伝子は進化の途上でA型から染色体の複製またはリンゲージで生じて固定され,B型,次いでC型が作られた(Zinkhert, W. H.:Science, 164,185, 1969/Markert, C. L.:S cience, 189, 102, 1975).AおよびB型は精巣を除く各組織で作られ,細胞上清分画であるが,C型のみ思春期後の精巣(哺乳動物,鳥類のみ)で作られ,ミトコンドリア分画にも局在している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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