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わだい
動物における赤血球酵素異常
著者: 前出吉光1
所属機関: 1北海道大学獣医学部内科学講座
ページ範囲:P.1389 - P.1389
文献購入ページに移動イヌ赤血球の特徴の一つは,Na,K-ATP aseを完全に欠いていることである.細胞膜に存在する同酵素は,よく知られているように,ナトリウムイオン(Na+)を細胞外に汲み出し,同時にカリウムイオン(K+)を細胞内に取り込む.このため,同酵素を有する多くの動物赤血球の陽イオン組成は,血漿中のそれに比べ,Na+濃度は低く,K+は高濃度であるが,イヌ赤血球は(ネコも同様であるが),同酵素を欠くために,血漿中の陽イオン組成と同じく,高Na+,低K+となっている.ところが筆者らの発見したイヌでは,赤血球Na,K-ATPase活性が非常に高く(ヒト赤血球の約3倍〉,このため赤血球内は低Na+,高K+であった.このことから,筆者らはこれらのイヌ赤血球をHK(high K)型イヌ赤血球,正常なイヌの赤血球をLK(low K)型イヌ赤血球と呼んでいる.
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