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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻12号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 血中薬物濃度測定法の進歩 技術解説

テオフィリン

著者: 中島理1 一色玄1

所属機関: 1大阪市立大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.1478 - P.1484

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 テオフィリンは気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患,また未熟児の無呼吸に対する治療薬として汎用されている.しかし,テオフィリンは治療域と中毒域との差が少なく安全性の低い薬物であり,また血中からの消失速度の個人差も大きく,至適投与量は患者ごとに大きく異なる.そのため,テオフィリン治療を安全にかつ有効に行うには,血中濃度をモニタリングすることが非常に重要である.
 従来,血清中テオフイリン濃度の測定法として高速液体クロマトグラフィー(HPLC法)が一般によく使用されてきたが,現在では操作の簡便性,迅速性に優れた種々の免疫化学測定法が繁用されている.しかし,これらの方法はいずれも抗原抗体反応を応用しているため,テオフィリンと構造が類似した化合物に対する交差反応性が問題となる場合がある.交差反応性を低くし,ロット間変動を減少させる目的として,モノクローナル抗体が導入され,良好な結果が得られているが,各測定法の特徴を十分把握して測定に臨むことが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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