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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻12号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 血中薬物濃度測定法の進歩 技術解説

シクロスポリン

著者: 西原カズヨ1 山村喜一1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院薬剤部

ページ範囲:P.1485 - P.1493

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 免疫抑制薬であるシクロスポリンA (CYA)は,臓器移植や,ベーチェット病の眼疾患に広く用いられ,その有用性が注目されるとともに,腎障害などの副作用防止が強く望まれていた.そして多くの検討結果から,CYAによる適切な治療には,血中CYA濃度測定が必要かつ不可欠になった.現在,その治療有効濃度はラジオイムノアッセイによる値が用いられ,次回投与直前の血漿中濃度で50〜200ng/ml,血液中濃度で250〜1000ng/mlである.この値は,一部代謝物をも含む濃度であることから,CYAのみの濃度測定値が得られるような測定法の開発および治療有効濃度が検討されつつある.その他の測定法としては,蛍光偏光イムノアッセイおよび高速液体クロマトグラフィーがある.また,CYAは吸収率が一定でなく,種々の併用薬や疾患により体内動態が変化することから,血中CYA濃度測定はさらに必要性が増している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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