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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻13号

1988年12月発行

文献概要

今月の主題 輸血に伴う感染症の検査と対策 巻頭言

輸血に伴う感染症の検査と対策

著者: 池田康夫1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部輸血センター

ページ範囲:P.1573 - P.1573

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 輸血による感染症は決して新しいテーマではなく,古くから輸血によって多くの感染症が伝播しうることが知られていた.しかし,今日ほどその存在について医師のみならず,一般の国民が注目している時代はないであろう.輸血が近年の治療学の進歩にどれ程貢献しているかはいまさら述べるまでもないが,これまでその効用のみが強調され,医師はともすればその副作用を過少評価していたようにも思える.薬物療法では,その効果と副作用に対して同等の注意が払われ,副作用のモニタリングがほとんどの薬物で行われているのと好対照である.さらに言えば,血液は生物製剤であり,その背景がひとりひとり異なる献血者の血液に由来していることである.
 輸血感染症防止の努力は,戦後間もなくの梅毒感染防止に始まった.次いでB型肝炎との長い間の戦いがあった.輸血によるウイルスの伝播が明らかにされ,それを予防するための対策として,献血者血液のHB抗原,抗体をスクリーニングする方法が確立され,大きな成果をもたらしたことは周知のことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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