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文献概要
今月の主題 輸血に伴う感染症の検査と対策 検査と対策
サイトメガロウイルス
著者: 原田実根1
所属機関: 1九州大学医学部第一内科学教室
ページ範囲:P.1605 - P.1611
文献購入ページに移動 免疫不全や臓器移植に伴うcytomegalovirus (CMV)感染症は,しばしば重症化し予後に重大な影響を及ぼすので,輸血によるCMV感染の移人を考慮して,ドナーおよびレシピエントのCMV抗体の有無を検討したうえで,適切な輸血を行う必要がある.特に,レシピエントがCMV抗体陰性の場合は,CMV抗体陰性の血液製剤のみを使用することによって,CMV感染症を予防することが可能である.わが国ではCMV抗体保有率が高く,CMV抗体陽性患者に輸血を実施する場合,「血液細胞の移植」である輸血が抗原刺激となって,潜伏感染の再活性化に関与することも考えられる.CMVに対する有効な抗ウイルス剤が開発されているが,入手困難な現状では予防対策の方がより重要で,期待できる成績が得られている.
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