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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻2号

1988年02月発行

文献概要

今月の主題 炎症マーカーとその臨床的意義 病態解説

局所炎症反応の生化学

著者: 鹿取信1

所属機関: 1北里大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.146 - P.153

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 「発赤,熱感,腫脹,疼痛」という急性炎症の4主徴はすべて微小循環レベルで起こり,それぞれ細動脈拡張,細静脈からの血漿蛋白滲出,痛覚受容器の刺激で説明できる.これに多核白血球血管外游走も加わる.個々の細胞反応は炎症巣で生成遊離される種々のメデイエーターによってよく説明できる.すなわちプロスタグランジン(PG) E2,PGI2により細動脈拡張をブラジキニン,ヒスタミン,PGE2によって血漿滲出を,ブラジキニンとPGにより発痛を,ロイコトリエンB4と補体C5aにより多核白血球浸潤を説明でき,実際炎症巣でこれらの物質が生成遊離されこれらの反応を起こしている.肉芽形成にはサイトカイン,細胞増殖因子が関与すると思われる.このように炎症反応のすべては,物質で説明される時代となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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