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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻4号

1988年04月発行

文献概要

今月の主題 DNA診断に必要な測定技術 総説

DNA診断

著者: 榊佳之1

所属機関: 1九州大学遺伝情報実験施設

ページ範囲:P.355 - P.362

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 DNA診断は,遺伝病や感染症などの病因となる変異や病原体をDNAレベルで検出することを可能にした.その結果,病気の発症前診断や早期診断が可能となってきた.DNA診断の基本原理はDNA・DNAまたはDNA・RNAハイブリダイゼーション(混成体形成)にあるが,その過程の簡略化と高感度化に有効な方法が開発された.それはDNA合成酵素を用いて目的のDNA領域を増幅するもので,微量サンプルしか得られない出生前診断などに特に有効な方法と考えられる.また最近,ヒトのDNA多型マーカー(RFLP)の連鎖地図がゲノム全体をカバーできるようになったので,多数の遺伝性疾患の連鎖解析が可能となった.DNA診断の今後の課題の一つはその多因子病への応用であるが,うつ病,高脂血症,ある種のがんではその遺伝要因の同定が可能になりつつある.非RI標識プローブ,分析の自動化などもこれからのたいせつな課題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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