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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻4号

1988年04月発行

文献概要

今月の主題 DNA診断に必要な測定技術 技術解説

ATLのDNA診断

著者: 中村正孝1

所属機関: 1京都大学ウイルス研究所

ページ範囲:P.391 - P.397

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 成人T細胞白血病(ATL)は,西南日本に好発するきわめて悪性な白血病である.ヒトレトロウイルス(human T-cell leukemia virus type I:HTLV-I)がATLの原因であることがつきとめられて以来,ATLの診断として,HTLV-Iに対する抗体の有無の検査が主体となってきた.したがって,血清免疫学的検査法が用いられ,実際,凝集法,間接蛍光抗体法などが検査実験室で行われている.一方,遺伝子操作技術のめざましい発展により,種々の疾患を遺伝子レベルで解析することが可能となりつつある.ATLの場合,宿主細胞に組み込まれたHTLV—IのプロウイルスDNAを検索することが即HTLV-Iの感染を証明することになる.本稿では,サザーンハイブリダイゼーション法によるプロウイルスDNAの検出法を詳しく解説し,その問題点にも触れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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