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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻5号

1988年05月発行

文献概要

今月の主題 心電図の最前線 病態解説

頻脈性不整脈はなぜ起こるか

著者: 須山和弘1 大江透1

所属機関: 1国立循環器病センター内科(心臓部門)

ページ範囲:P.534 - P.538

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 不整脈とは,正常の規則正しい洞調律から逸脱した状態であり,大きく頻脈性不整脈と徐脈性不整脈に分類できる.不整脈の発生機序は,①興奮生成の異常,②興奮伝導の異常,③その両者の組合せ,の3つに区別できる.興奮生成の異常としては,自動能の異常(生理的自動能の異常,異常自動能),triggered activityがある.興奮伝導の異常としては,reentry (リエントリー),reflection (リフレクション)などがある.頻脈性不整脈の発生には,それらが複雑に絡み合っている.臨床上の不整脈の多くは,リエントリーに基づいていると考えられ,また,機序の解明も他の機序に比べて最も進んでいる.しかし,その他の機序に基づくと考えられる重要な不整脈が存在することも言うまでもない.不整脈の発生機序に関しては,不明な点も多数存在し,今後の検討が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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