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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻7号

1988年07月発行

文献概要

今月の主題 病原体抗原の免疫学的検査法 総説

病原体抗原の免疫学的検査法—現状と展望

著者: 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門

ページ範囲:P.724 - P.729

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 微生物を"生き物"として扱う現行の培養分離法は正確であるが,結果が出るまでに時間がかかり,必ずしも治療に結びつかないとの批判があり,微生物検査の迅速化が望まれてきた.微生物を"物質"としてとらえる微生物抗原の免疫学的検出法は,DNA診断法とともに微生物検査の迅速化の一つの重要な方向である.
 現在では沈降反応,凝集反応,標識法など種々の免疫学的方法が応用され,市販・実用化されているものもかなり出てきた.免疫学的微生物検査法における問題点は,どの系を用いるかの選択ももちろんであるが,用いる抗体の種類が重要である.微生物そのものよりもより特定された物質,特に毒素や定着因子などの病原因子を認識する特異抗体が今後より広く用いられよう.最近種々の例で知られるようになった免疫学的交差性を克服する工夫も必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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