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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻7号

1988年07月発行

文献概要

今月の主題 病原体抗原の免疫学的検査法 技術解説

腸管感染症起因菌の免疫学的推定法

著者: 三宅真実1 余明順2 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門 2大阪大学微生物病研究所菌株保存施設

ページ範囲:P.737 - P.744

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 細菌性腸管感染症においては,患者材料から迅速かつ正確に起因菌を同定し,患者の診断,治療,および感染源の究明とともに,その後の二次的な感染の発生防止に的確な情報を確保することが必要となる.しかし,一般に糞便などから培養細菌検査によってこれらの情報を得るには,早くて48時間かかるのが現状である.近年の,簡易同定キット,自動細菌検査機器の開発により,この時間の短縮が試みられているが,同時に,免疫学的手法を用いての,特異的微量抗原検出による起因菌の推定も,臨床検査への応用が始まっている.糞便など患者材料からの感染起因菌に特異的な抗原(毒素,菌体抗原など)の免疫学的直接検出法は,腸管感染症においても,診断や菌同定の簡易化,迅速化に大きな可能性を秘めた手法として注目すべきだと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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