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文献詳細

雑誌文献

臨床検査32巻7号

1988年07月発行

文献概要

今月の主題 病原体抗原の免疫学的検査法 注目すべき病原体

MRSA感染症

著者: 横田健1

所属機関: 1順天堂大学医学部細菌学教室

ページ範囲:P.770 - P.775

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 MRSAは新型多剤耐性黄色ブドウ球菌で,治療できる薬剤が限定される.黄色ブドウ球菌は強毒菌なので,対応が正しくないとMRSA感染症患者の予後は悪い.MRSA感染症は火事にたとえられる.最良の方法は,術後感染予防や炎症性患者の治療には,ブドウ球菌に強い抗菌力を示す薬剤を使い,それを増加させないことである.不幸にしてMRSA感染症が発症したときは,早期に正しい細菌学的検査を行い,早期に有効薬剤で治療して,小火のうちに消しとめることである.多剤耐性ブドウ球菌で,37℃以下ではLMOXやCZXに〔+〕または〔—〕の耐性を示し,43℃では〔⧺〕または〔⧻〕となるものはMRSAである.治療は免疫正常者では,MINOまたはDOXYの静注,免疫不全者を含めると,CMZ+FOM,またはCZON+FOMが有効である.大火となったMRSA感染症の治療は困難である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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