文献詳細
文献概要
編集者への手紙
染色体標本の作りかた—トリプシンを用いたG-分染法
著者: 西田俊朗1 涌井敬子1 山岸彰1 伊藤武1 稲葉俊哉2 山本圭子2
所属機関: 1埼玉県立小児医療センター臨床検査部 2埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科
ページ範囲:P.777 - P.777
文献購入ページに移動染色体分析は先天異常,奇形,精神遅滞の原因究明などに利用され,また白血病・悪性腫瘍においても核型異常と病型,予後との関係が明らかにされてきた.これらの染色体分析には,分染法として一般的にはG-分染法やQ-分染法が行われている.G-分染法においては,トリプシンの濃度,作用時間などが分染の成否を決めるキーポイントになるが,このトリプシンの取扱いは施設によりさまざまで一定しておらず,詳細に記載された文献は紺谷らの方法1)にすぎない.われわれは,凍結されたトリプシン液を37℃に一晩放置することによりその活性を低下させ,その後,冷蔵庫中で4℃に保存し,これを使用することにより,安定した成績を得ているので報告する.
掲載誌情報