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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻10号

1989年10月発行

文献概要

ME機器と安全・4

医療用気体安全の基本的原理

著者: 福本一朗1

所属機関: 1シャルマース工科大学応用電子工学科医用電子工学講座

ページ範囲:P.1190 - P.1194

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医療環境における気体とその危険性
 物質は固体・液体・気体の3態を有する.そのうち気体状態にある物質はもっとも物理法則に支配された振る舞いを呈する.気体の一番顕著な性質として,圧力と温度に対する変化の大きさが挙げられる.気体は小さく圧縮することができ,また無制限に拡散することもできる.気体はそれがおかれた空間や血管をその形にかかわらず隅々まで完全に等濃度で満たす.気体はまたそれが接触する液体や固体中に溶け込むこともできる.以上の性質は生体に気体が適用されるときつねに心に止めておかねばならない.
 医療環境で用いられる気体には大別して2種類のものがある.その一つは酸素・窒素・一酸化炭素・水蒸気など自然界の中で人間を取り巻き,人間の生存に不可欠の物であり,他の一つは笑気・シクロプロパン・ハロタン・エフラン・エチレンなどの麻酔剤のように生理学的効果を得るために人為的に供給されるものである.生理学的効果とは外的刺激に対して恒常性を維持するための生体の反応であるということができる.その意味では麻酔ガスによる血中二酸化炭素分圧変化や血圧の変動なども含まれる.その生体変化は直接観察できるものから,複雑な臨床検査機器を用いて長時間かけねば測定できないものまでいろいろなものが含まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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