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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻2号

1989年02月発行

文献概要

今月の主題 加齢と臨床検査 カラーグラフ

老化促進モデルマウス

著者: 黒住眞史1 松下隆壽2 小岸久美子2 竹田俊男2

所属機関: 1京都大学胸部疾患研究所検査部 2京都大学胸部疾患研究所老化生物学分野

ページ範囲:P.138 - P.140

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 1968年,ジャクソン研究所より京都大学胸部疾患研究所病理学部門(現;老化生物学分野)に移入したAKR系マウスを兄妹交配により継代維持していたところ,正常な成長の後,急速な老化徴候が見られる腹に気づき,このような老化が進んでいると考えられるものから7系統を分離した.これらに共通な老化徴候は活動性低下,脱毛,被毛光沢減退,被毛粗雑,眼周囲病変,脊椎前後轡増強で,正常な成長の後に急速に現れ不可逆的に進展する「促進老化」に特徴がある.したがって老化促進モデルマウス(Senescence Accelerated Mouse-Prone:SAM-P)と命名された.系に特徴的な病態としては白内障,骨粗鬆症,老化アミロイド症,変形性顎関節症,免疫能低下,学習・記憶障害などがある.また対照として同じくAKRに由来し,正常老化を示す3系統をSAM-Rとした.これらのモデルはヒト老化に伴う諸病態の解明のみならず,老化基本機構解明に貢献することが期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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