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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻9号

1989年09月発行

文献概要

今月の主題 アミロイド 技術解説

加齢と脳のアミロイド

著者: 朝長正徳1

所属機関: 1東京大学医学部脳研究施設脳病理学部門

ページ範囲:P.1048 - P.1054

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 アミロイドとは,いろいろな蛋白質に由来する特異なβ—プリーツ構造沈着物である.これは,老化と関連して脳,心臓,膵臓などの臓器に出現する.人口の高齢化に伴い,アミロイドの臓器沈着による障害あるいは病気が増加している.特に脳にアミロイドが沈着する場合は,痴呆をきたすアルツハイマー病や脳出血の原因になるアミロイド・アンギオパチーがあり,いろいろ臨床的に問題となる.このアミロイドの由来について,最近の分子生物学的研究で膜蛋白の膜貫通部分のβ—蛋白であることがわかり,その遺伝子が第21番染色体にあることがつきとめられた.この遺伝子は特に加齢,アルツハイマー病,ダウン症で同時にある種の蛋白分解酵素阻害物質をも作ることから,これがアミロイド生成に関与することが考えられている.一方,血管に沈着するアミロイドにはγ—トレース(シスタチンC)があり,脳血出と関係することがわかってきた.このような物質を体液中より検出する方法が,このような疾患の診断のうえで今後重要になると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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