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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻9号

1989年09月発行

文献概要

ME機器と安全・3

医用電気機器の安全

著者: 福本一朗1

所属機関: 1シャルマース工科大学応用電子工学科医用電子講座

ページ範囲:P.1071 - P.1074

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医用電気機器における安全原理
 病院内で用いられる医用電気機器が安全であるためには,前回述べた病院内配電設備の安全性以外に,機器自体の安全性および機器の安全な使用が必要とされる.機器自体が安全であるためには,その機器がまずME機器としての国際基準(IEC公表基準601シリーズ等)を満たしていることが必要とされる.機器安全はまず機器の中に組み込まれねばならない.また,機器の安全性が使用期間中つねに保たれるためには,適当な保守が必要とされる.さらに,医療職員が機器を安全に使用できることが前提条件とされる.そのためには,機器使用についての教育と指導以外に,実用的な機器取り扱い説明書が欠かせない要素となっている.また,機器の表示ランプの色を表1に示すように標準化したり,電源スイッチオン(|)オフ(○)表示を一定にするなど,ヒューマン・エラーを少なくする工夫も必要である.
 機器が安全であるためには,その機器が間違いなく予想されたとおりに作動するだけでは不十分である.あらゆる機器はある確率で故障する.機器の故障が即人命につながりうるME機器においては,単一の故障が生じたときにでも機器の安全は保たれねばならない.そのためには基礎的な防護機構以外に,その故障時にも安全を保証してくれるもう1つの独立な防護機構を備える必要がある.この考えを二重安全という.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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