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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻10号

1990年10月発行

文献概要

今月の主題 虚血性心疾患 話題

Hibernating myocardiumとStunned myocardium

著者: 児玉和久1 三嶋正芳1

所属機関: 1大阪警察病院心臓センター

ページ範囲:P.1188 - P.1191

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1.はじめに
 従来,心筋虚血は究極的に壊死に至るのか,壊死に至らず回復するのか,という観点から捉えられてきた,壊死に至ることなく回復する可逆性虚血といえば,狭心症発作のごとく,虚血が消退すれば速やかな症状改善とともに心電図や心機能も回復する病態であり,他方壊死に至る虚血(不可逆性虚血)は心筋梗塞であり,心筋の不可逆的な構造破壊とともに心収縮能の喪失する病態である.
 このような可逆性,不可逆性虚血という病態の概念は約半世紀前の次のような古典的な実験事実に基づいていた.①冠動脈の血流を遮断すると虚血心筋は数秒間の内に収縮能を喪失し,続いて健常心筋の収縮運動の影響を受けて心収縮期に逆に伸展されるが,この虚血による心収縮機能異常は虚血解除後速やかに回復し(可逆性虚血)1),②虚血時間が長ければ(イヌでは20分以上)種々の程度の心筋壊死が生じる(不可逆性虚血)2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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