文献詳細
腎臓病の病理・10
文献概要
腎梗塞は,血栓症・塞栓症によって起こり,急性期は凝固壊死の像を呈し,次第に収縮し肉眼的にV字型の瘢痕を形成する.腎は高血圧によって主として血管系に病変を生ずるが,慢性の腎疾患や,腎動脈の閉塞などによって,続発性の高血圧が招来される.前者の代表として本態性高血圧に付随する(良性ないし悪性)腎硬化症がある.慢性腎不全時にみられる高血圧は,体液の貯留によるものが多いが,体液のコントロールによっても血圧が下がらないものがあり,これにはレニン・アンギオテンシン系が関与している.腎血管性高血圧も,レニン分泌が刺激されるために生ずるものである.
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