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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻7号

1990年07月発行

文献概要

TOPICS

肝障害時の栄養治療の指標

著者: 中恵一1

所属機関: 1大阪市立大学臨床検査医学

ページ範囲:P.841 - P.841

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 肝臓はエネルギー代謝の中心的な役割を担う臓器であり,末梢のエネルギー需要に応じてエネルギー基質を産生・供給あるいは加工・貯蔵している.肝障害時には,こうした機能が乱れ,利用しうるエネルギー基質も質的変化を生じる.グルコースは,グリコーゲン貯蔵量が低下し糖新生能が低下するため血液への供給がうまくいかず,脂肪酸の酸化によって需要に答えようとし,ケトン体をエネルギー基質として供給する.この脂肪酸およびケトン体はミトコンドリアにおけるATP産生時にグルコースに優先して利用され,グルコースを節約する方向に進む.また,全身の骨格筋で蛋白異化が亢進し,そのアミノ酸がエネルギー基質として利用され炭素骨格よりグルコース骨格が提供される.
 血液成分分析より肝障害時にこれらエネルギー基質が特異なパターンを示すことが指摘されているが,その一つに"アミノ酸インバランス"という状態がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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