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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻9号

1990年09月発行

文献概要

今月の主題 検診・健康診査 巻頭言

検診と医療

著者: 清瀬闊1

所属機関: 1三井記念病院

ページ範囲:P.1029 - P.1031

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 わが国の死因の上位は悪性新生物,脳血管障害,虚血性心疾患が占め,これらの疾患で全死因の3分の2以上となっている.これは国民の健康水準を示すもので,すでに感染症時代から成人病時代に入っていることをあらわしている.したがって検診はこれらの疾患を発見するのが第一の目的である.かつての国民病といわれた肺結核が激減した理由の一つとしてストレプトマイシンの発見があるが,それもさることながら検診が徹底的に行われ,検診による早期発見がその功績の大半を占めており,いわゆるスクリーニングがいかに有意義であるかを示した.医学用語としてのスクリーニングは「迅速に実施可能な検査,その他の手技を用いて,無自覚の疾病を発見し,医師に送り,診断,治療を受けさせる」と解釈される.現在その意味で広く成人病を対象としているのが,日本人間ドック学会,日本総合健診医学会などの加入施設で,その役割りを果たしているが,全体の中での比率はいまだわずかであり,集検の比重が大きいことはいうまでもない.集検は成人病全体をカバーはしていないが,職場検診,住民検診,成人病検診などはある程度のものは行っているので,毎年これらの1つでも受けていれば病気によっては早期発見は可能で,漸次内容的にも濃くなっており,人間ドックの内容に近くなってきている.もちろん多数を処理する中には「漏れる」ことはありうるが,手遅れにしてしまうほどのことは数少ないと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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