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腎臓病の病理・9
尿細管・間質系疾患(Ⅱ)
著者: 坂口弘1 緒方謙太郎1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.1090 - P.1097
文献購入ページに移動 腎盂腎炎は,主として上行性の細菌感染により起こる疾患である.急性のものと慢性のものがあり,急性腎盂腎炎の病態は腎実質内の急性炎症でありその起炎菌は大部分大腸菌である.慢性腎盂腎炎は潜行性に進行するものが多く,実質の瘢痕形成を特徴とする.慢性化は感染の再燃,再発によるが,背景に尿流障害があることが多く,特に膀胱尿管逆流現象が重要である.代謝異常に続発する尿細管・間質系障害には,痛風,シュウ酸蓄積症,シスチン蓄積症が代表的であり,前二者は,急性尿細管閉塞や慢性間質性腎炎を惹起する.シスチン蓄積症の幼児発症型では慢性の糸球体障害,近位尿細管障害が起こり腎不全に至る.
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