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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻9号

1990年09月発行

文献概要

TOPICS

クロモグラニンA

著者: 岩花弘之1 斎藤史郎1

所属機関: 1徳島大学第一内科

ページ範囲:P.1099 - P.1100

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 クロモグラニンA (CgA)は副腎髄質のクローム親和性顆粒に含まれ,内臓神経の刺激でカテコラミンとともに分泌される酸性糖蛋白として発見された.その後,副甲状腺に存在する分泌蛋白I(SP-I)とCgAが同じものであることが確認された.またCgAは脳,下垂体,網膜,甲状腺,膵および交感神経系に広範囲に分布していることが知られたが,その作用は不明のままであった.
 ウシ副腎髄質1),ヒト褐色細胞腫2),ラット副腎3)およびブタ副腎髄質4)のcDNAライブラリーから,次々とCgA cDNAがクローニングされ,その塩基配列からCgAの全アミノ酸配列が決定された.図1の(A)はプレクロモグラニンA (preCgA)の構造を示したものである.ウシ,ヒト,ラットおよびブタのCgAは,それぞれ431,439,448,430個のアミノ酸残基からなり,それぞれのpre CgAのN末端には18個のアミノ酸からなるシグナルペプチドが存在する.また,プロセシングシグナルとなりうる塩基性アミノ酸対が8~10組あり,そのうちの7組は4種のCgAのすべてに共通して見られた.このことは,CgAがさらに小さいペプチドの前駆体であることを示唆している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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