icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻9号

1990年09月発行

文献概要

TOPICS

pre-S抗原抗体

著者: 日野邦彦1

所属機関: 1防衛医科大学校第二内科

ページ範囲:P.1103 - P.1104

文献購入ページに移動
 B型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子上のHBs抗原のmajor polypeptideをコードするS遺伝子の上流にpre-S領域とよばれる遺伝子配列の存在が知られており1),翻訳開始点の違いからpre-S領域は,さらにpre-S1,pre-S2領域に分けられている.このpre-S領域でコードされている蛋白の生物学的意義としては,HBVの宿主特異性および臓器特異性を規定するpolymerized humanserum albumin receptor (poly-HSAR)活性が存在することが明らかにされている2)
 HBVに感染したヒトやチンパンジーの血液中には通常,Dane粒子,管状粒子,小型球型粒子の3種類の粒子が存在するが,それらの粒子の表面抗原活性は共通でHBs抗原とよばれる.これらの粒子をsodium dodecyl sulfate (SDS)と2―メルカプトエタノール(2―ME)で処理し,SDS―ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)にかけると,いくつかのpolypeptideに分離することができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?