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今月の主題 肝炎ウイルス関連マーカー 技術解説
HBc抗体
著者: 井上長三1 矢野右人1
所属機関: 1国立長崎中央病院臨床研究部
ページ範囲:P.31 - P.33
文献購入ページに移動 B型肝炎ウイルス(HBV)関連マーカーであるHBc抗体にはIgM型,IgG型HBc抗体があり,ウイルス特異性が優れている.急性B型肝炎では,IgM型HBc抗体は発症12週までは陽性である.IgG型HBc抗体はIgM型HBc抗体陰性化後も陽性持続し,長期にわたり低力価~中力価陽性を示す.臨床的には,初感染のB型急性肝炎か,B型肝炎ウイルスキャリアからの急性肝炎様発症かの鑑別が重要である.検出感度が鋭敏な測定法では,急性初感染のみならずB型慢性肝炎急性再燃でもIgM型HBc抗体が検出され,両者の鑑別は必ずしも容易ではない.測定手段を吟味,考慮し,この鑑別のため調整されたキットを用いることが有用である.
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