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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻11号

1991年11月発行

文献概要

TOPICS

フラン脂肪酸の測定と腎不全

著者: 前田憲志1 新里高弘1

所属機関: 1名古屋大学病院分院内科

ページ範囲:P.1212 - P.1213

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 腎不全で血清アルブミンをhydroxyazo-benzen carboxylic acid(HABCA)を用いた色素結合法で測定すると著しい低値を示し,bromcresolgreen (BCG)を用いた方法では正常に近い値を示すことが知られていたが,これは腎不全で蓄積したいくつかの物質がHABCAのアルブミンとの結合を阻害するためであった.しかし,腎不全血清を十分に透析してもHABCA法での測定値は一定度の改善は見られるもののBCG法の値よりかなり低値を示し,それ以上透析を続けても改善されなかった1).この原因物質としてフラン環を有する脂肪酸(フラン脂肪酸と略す)が同定された.これらの物質は腎不全で著しく増量しており遊離型がほとんどなく全量がアルブミンと結合していること,血液透析によってもまったく除去できないことが明らかとなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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