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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻11号

1991年11月発行

文献概要

TOPICS

血清ビリルビンの定量に適するジアゾニウム塩の条件

著者: 鈴木優治1 坂岸良克2

所属機関: 1埼玉県立衛生短期大学 2埼玉医科大学生化学

ページ範囲:P.1214 - P.1215

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 血清ビリルビンの定量法はスルファニル酸のジアゾニウム塩をビリルビンのカップリング剤として用いるジアゾカップリング法が広く普及している.しかし,最近ではこの反応原理に基づく測定法にも測定にまつわる種々の問題が生じている1).ビリルビンのカップリング剤となるジアゾニウム塩は多数存在すると考えられるが,臨床検査領域ではなぜスルファニル酸のジアゾニウム塩が選定されているかの理由は明確ではない.いずれにしても,血清ビリルビンの定量をより正確に行うためには,ビリルビンのジアゾカップリング反応についての基礎的な検討が必須であり,血清ビリルビンの定量に適するジアゾニウム塩の選定が多数のジアゾニウム塩を用いて行われた2,3).その結果は次のように要約される.
 まず,ビリルビンのカップリング剤として用いるジアゾニウム塩は芳香族第一アミンのジアゾ化で速やかに生成するものでなければならない.ジアゾ化に時間がかかる芳香族第一アミンでは,調製後のジアゾニウム塩溶液中に亜硝酸ナトリウムと塩酸との反応で生成した亜硝酸が残存する.この物質は一部の血清ビリルビンをビリベルジンに酸化し,ビリルビンの正確な定量を妨害する2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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