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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻13号

1991年12月発行

文献概要

今月の主題 骨・関節をめぐって 話題

関節炎モデル

著者: 垣本毅一1

所属機関: 1熊本大学医学部免疫研究施設生化学教室

ページ範囲:P.1330 - P.1331

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 1.はじめに
 関節炎モデルという場合の"関節炎"は普通慢性関節リウマチ(RA)を意味する.この比較的女性に多い難治性疾患について研究する際,ヒトの材料を用いることは,必ずしも容易でない.その代わりに,ヒトのRAによく似た病気を動物に起こさせて,それを用いてRAの研究を行うというアプローチが,実験モデルあるいは動物モデルと言われるもので,今日までRAに限らず種々のヒトの病気の病因解析や治療薬のスクリーニングや開発などに多大の貢献をしてきた.表1に,最近よく使用される関節炎モデルの主なものを示した.動物モデルには自然発症モデルと誘発モデルが存在するが,関節炎モデルに関する限りでは,自然発症モデルのMRLマウスの関節炎が動物の供給先のロットにより発症率が大きく異なることや,関節炎があまり強くないこと,組織所見がRAと異なる点もあることなどの理由であまり一般的に用いられておらず,むしろ誘発モデルの方がよく研究に供されている.誘発モデルとしては,最近は特に免疫学的側面に重点を置いたものが多いのが特徴で,それはRAの病因については依然として不明な点が多いとはいえ,何らかの免疫学的機序,特に自己免疫が関与していることを示唆する研究が増えていることと関係がある.
 もちろん,RAのモデルというからには,これらのモデルはRAの臨床症状,リウマチ因子などの血清所見,組織所見などに類似していることが要求される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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