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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻13号

1991年12月発行

文献概要

TOPICS

表皮細胞分化抑制因子

著者: 菅井基行1 井上伸吾1

所属機関: 1広島大学歯学部

ページ範囲:P.1345 - P.1346

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 1.はじめに
 黄色ブドウ球菌は皮膚化膿性疾患の原因菌として代表的なものである.黄色ブドウ球菌による皮膚疾患のなかでも典型的な例として,夏場に多い"とびひ"(伝染性膿痂疹)や,その重症例で新生児に起こるブドウ球菌性熱傷様症候群(SSSS)が知られている.これらの疾患は水疱形成を伴う表皮剥脱が特徴的で,黄色ブドウ球菌がこの表皮剥脱を引き起こす毒素,表皮剥脱毒素を産生することが知られている1).われわれは培養表皮細胞を用いて表皮剥脱毒素の生物活性を研究しているときに偶然,SSSSの患者から分離された株の培養上清濃縮液中に培養表皮細胞の分化を抑制する活性を見いだした2).本稿ではその活性を担う,新しく見いだされた蛋白質,表皮細胞分化抑制因子(epidermal cell differentiation inhibitor;EDIN)3)について紹介したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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