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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻4号

1991年04月発行

文献概要

今月の主題 肥満とやせ 話題

力士は肥満か?

著者: 山田公雄1

所属機関: 1(財)日本相撲協会診療所

ページ範囲:P.366 - P.368

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1.はじめに
 "肥満とやせ"を考える場合,ある方法で求めた標準体重(理想体重)の例えば+20%を超えたもの(肥満),-20%に達しないもの(やせ)はいずれも健康や寿命にとっての危険因子であるという前提から,標準体重に少しでも近づくための方法論となろう.
 一方,大相撲力士にとってはどうであろうか?力士においては体重(=肥満度)が多いことが相撲に勝つための非常に大きな武器であることは疑いがなく,そのために一部の特殊な例を除いてみないかにして体重を増やすかに腐心しており,体重を増やすことが出世の1つのバロメーターとなっている.事実,ある力士が急に強くなるとき,体重の増加を伴うことが多い.一般成人の栄養過多と運動不足による,健康にとっての危険因子としての肥満という語を,"職業上,体重増加を高い価値とする力士"に当てはめることは適当ではないと思われる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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