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文献概要
今月の主題 肥満とやせ 話題
フォーミュラ食療法
著者: 齋藤康1
所属機関: 1千葉大学医学部第二内科学教室
ページ範囲:P.374 - P.376
文献購入ページに移動 肥満症の食事療法は目に触れる多くの食品の中から選択して自分でその量を決めて摂取していくことから始まるものである.この作業(治療)は決して容易なものではない.人が食べるという行為はきわめて多くの要因によって調節されているものであり,決められている内容を守っていくことには多くの障害が待っている.空腹はもちろん,パーティ,誕生会,友だちとの語らい,腹のたつとき(やけ食い),など食欲とは関係のないときにでも食べるという行為は進んでいくものである.これを乗り越えることは肥満症を治していくために必須である.そのためにいろいろな方法が行われているが,フォーミュラ食もその1つであろう.フォーミュラ食とは異なるが文字どおり型にはまって一定に作られているもので中には素材の形や味を残して栄養分,カロリー,を一定にしているものがある.いろいろな種類があって変化に富んだ食事になるという利点がある.簡単に量と内容を規定することができても上述のような食事療法を乗り越える根本的なものとはなりにくい.フォーミュラ食とはすべての必要な栄養分を含む形態を一定にしたものであり,通常食品としての形態はとらない,流動食のようなものになる.
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