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血小板結合性IgG
著者: 野村昌作1 粉川皓年1 安永幸二郎1
所属機関: 1関西医科大学内科学第一講座
ページ範囲:P.396 - P.397
文献購入ページに移動Georgeら5,6)は,健常血小板では血小板1個あたり約2万のIgG分子が存在し,そのほとんどは血小板内部,特にα顆粒に存在し,血小板刺激に伴って放出され,血小板表面にはごくわずかなIgGしか存在しないと報告している.最近,フィブリノゲンなどの血中粘着蛋白は,血小板や巨核球の内部に取り込まれ,α顆粒に貯蔵されるというメカニズムが報告されているが7),Georgeらは,IgG,IgA,IgMおよびアルブミンなども巨核球の内部に取り込まれ,そこから産生されたばかりの幼若な血小板ほど,多量の内因性IgGをもっているとしている.血小板破壊が充進した状態では,幼若血小板の動員が増加していると考えられ,これら内因性の血小板IgGは,増加の傾向にあると考えられる.
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