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左室拡張能評価におけるAustin Flint雑音の意義
著者: 鈴木修1
所属機関: 1自治医科大学臨床病理学
ページ範囲:P.652 - P.654
文献購入ページに移動 Austin Flint雑音は,僧帽弁狭窄症(MS)を伴わない大動脈弁閉鎖不全症(AR)において心尖部に認められるMS類似の拡張期ランブルである.1862年に米国のAustin Flintが2例についての観察を報告した1)のが始まりであるが,特にその雑音発生機序に関してはいまだに議論が絶えず定説があるとは言えない,すなわち大動脈弁逆流ジェットの僧帽弁前尖への衝突による機能的僧帽弁狭窄状態や,順行性の経僧帽弁血流と大動脈弁逆流ジェットの衝突による乱流の形成,左室拡張末期圧(LVEDP)上昇による拡張期僧帽弁逆流,などの説がある.
一方,ARの臨床的重症度および予後を決定づける重要な因子として,逆流自体の強さ,左室収縮能および拡張能の3者があげられる.このうち逆流自体の重症度評価に関しては,Austin Flint雑音が高度の大動脈弁逆流例に見られやすいことから,本雑音の存在がARの重症度診断の1つの目安になると思われる.
一方,ARの臨床的重症度および予後を決定づける重要な因子として,逆流自体の強さ,左室収縮能および拡張能の3者があげられる.このうち逆流自体の重症度評価に関しては,Austin Flint雑音が高度の大動脈弁逆流例に見られやすいことから,本雑音の存在がARの重症度診断の1つの目安になると思われる.
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