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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻10号

1992年10月発行

文献概要

今月の主題 放射線障害 話題

照射食品の検知法の現状と展望

著者: 内山貞夫1

所属機関: 1国立衛生試験所食品部

ページ範囲:P.1134 - P.1135

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1.はじめに
 わが国ではジャガイモの発芽防止の目的だけに0.15kGyのγ線照射を認めている.諸外国では殺菌,殺虫,熟度調整などのために低線量から高線量(0.15~30.0kGy)の放射線の照射を認めている国もある(表1).
 照射の有無を確認する検知法は,古くから検討されてきたが,なかなかその開発は難しく,現在でもわが国では公的検査法はない.現在,FAO/IAEA (国連食糧農業機関/国際原子力機関)を中心に国際的な検知法の策定のためのプロジェクトが行われている(1990~1994年)1).そのような背景には,近年,照射食品を認める国が増えてきて照射の有無に関する貿易上の問題解決が求められていること,ならびに最近かなり有望な検知法が開発され報告されつつあることが挙げられる.その第1回の研究調整会議(ポーランド,1990年)で物理学的(ESR,化学発光,熱発光,インピーダンス,粘度,分光内近赤外),化学的(o―チロシン,脂肪―揮発性炭化水素/シクロブタノン,DNA),生物学的方法(微生物学,胚培養)が提起され検討された2).これらの中で筆者が現時点で有望な検知法として考えているのが表2に示すようなものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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