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リポZ
著者: 田中明1
所属機関: 1都立府中病院内科
ページ範囲:P.1153 - P.1155
文献購入ページに移動 リポZは,アポB48と重複しない部位にエピトープを持つ(したがって,アポB48を認識しない)抗ヒトアポB100モノクローナル抗体および抗ヒトアポAIモノクローナル抗体の血清中unbourld分画である1~3).血清中に存在するリポ蛋白のうち,カイロミクロンレムナント(CR)を除いて,すべてのリポ蛋白はアポB100またはアポAIを持つ.すなわち,カイロミクロン,HDLはアポAIを,VLDL,IDL,LDLはアポB100を持つ.また,CRは代謝が速いので,空腹時血清中には通常存在しない.したがって,空腹時血清の場合,アポB100およびアポAIのunbound分画であるリポZ中にリポ蛋白は存在しないはずである.
しかし,糖尿病,冠動脈硬化症例のリポZ分画には,高頻度にリポ蛋白の存在が示され,動脈硬化の危険因子として注目されている4~5).
最近,リボZ分画中リボ蛋白の特性が明らかになりつつある.HPLC分析による粒子サイズの検討では,図1のようにVLDLとカイロミクロン(void)の粒子サイズの位置にピークを認めた4).電子顕微鏡による検討でも,400Åを中心に300Å~800Åの粒子サイズの分布を認め,HPLCと同様の結果を得た2,3).SDS-PAGEによるアポ蛋白の分析では,アポB100,アポB48,アポE,アポCのバンドを認めた1~3).したがって,アポAIを持つカイロミクロンは含まれない.また,アポ蛋白,脂質の分析から,コレステロールエステル(CE)およびアポEリッチが明らかになった1).VLDL以上の粒子サイズで,CEおよびアポEリッチであり,カイロミクロンおよびVLDLのレムナントと構造の類似性を認めた.
しかし,糖尿病,冠動脈硬化症例のリポZ分画には,高頻度にリポ蛋白の存在が示され,動脈硬化の危険因子として注目されている4~5).
最近,リボZ分画中リボ蛋白の特性が明らかになりつつある.HPLC分析による粒子サイズの検討では,図1のようにVLDLとカイロミクロン(void)の粒子サイズの位置にピークを認めた4).電子顕微鏡による検討でも,400Åを中心に300Å~800Åの粒子サイズの分布を認め,HPLCと同様の結果を得た2,3).SDS-PAGEによるアポ蛋白の分析では,アポB100,アポB48,アポE,アポCのバンドを認めた1~3).したがって,アポAIを持つカイロミクロンは含まれない.また,アポ蛋白,脂質の分析から,コレステロールエステル(CE)およびアポEリッチが明らかになった1).VLDL以上の粒子サイズで,CEおよびアポEリッチであり,カイロミクロンおよびVLDLのレムナントと構造の類似性を認めた.
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