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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻12号

1992年11月発行

研究

PCR時のコンタミネーション除去―次亜塩素酸ナトリウムの適用

著者: 白川卓1 西山馨1

所属機関: 1神戸大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.1265 - P.1269

文献概要

 次亜塩素酸ナトリウムによる種々のDNAの分解条件について検討した.Salmon DNAは次亜塩素酸ナトリウムで分解されたが,その速度は次亜塩素酸ナトリウムの濃度および処理温度に比例した.この核酸分解作用はトリス緩衝液で阻害された.プラスミドDNAは0.01%次亜塩素酸ナトリウムでは十分に分解されず,PCRでDNAの増幅が認められたが,0.1%以上の濃度では分解されPCRで検出されなかった.PCR産物は0.01%次亜塩素酸ナトリウムで速やかに分解され,PCRの鋳型とならなかった.この次亜塩素酸ナトリウムによるDNA分解作用はPCR時のDNA汚染の軽減に有用と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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