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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻13号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 溶血性尿毒症症候群(HUS) 技術解説

腸管出血性大腸菌の同定法 2.PCR法

著者: 小林一寛1

所属機関: 1大阪府立公衆衛生研究所

ページ範囲:P.1334 - P.1338

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血性下痢や溶血性尿毒症症候群(HUS)の原因となるVero毒素(VT)産生性を確認する方法としてPCR法を開発した.この方法は被検菌の培養を行わず,培養細胞や放射性同位元素を使用しない簡便な遺伝子診断法で,多くの検査室で応用できる.
 VTはある種のファージDNAによって介達され,その構造遺伝子も明らかになっている.この遺伝子の存在をDNAポリメラーゼの酵素反応によって人為的に増幅し,わずかな菌株から検出するもので,きわめて高感度の方法である.たいした設備,DNA抽出操作などは必要ではなく,使用する試薬類も長期間保存が可能で,結果は約3.5時間で得られる.ここで紹介したPCR法はVT型別も同時に行う方法で疫学的にも有効と考える.〔臨床検査36(13):1334-1338,1992〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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